BUCK-TICK インディーズアルバム『HURRY UP MODE』を聴いた感想とレビュー

HURRY UP MODE (デジタル・リマスター盤)

1987年にメジャーデビューしたBUCK-TICK、唯一のインディーズアルバム。

演奏にはまだ未熟な点もあってBUCK-TICKを初めて聴く方にはオススメしにくいですが、型にはまらないセンスの高さはこの時から感じられます。



 

 

収録曲視聴後の感想

1.PROLOGUE 曲:櫻井敦司

櫻井さんが作曲した珍しい曲。
40秒ほどの短い曲ですがアルバムのスタートにはピッタリかと。

この曲を聴いて櫻井さんも作曲センスがあると思ったので、気まぐれでも良かったのでもう何曲か作ってほしかった。

 

2.PLASTIC SYNDROME TYPEⅡ 詞:今井寿/曲:櫻井敦司

こちらも櫻井さんが作曲。
1曲目の『PROLOGUE』と同じような明るめの雰囲気を持った曲調で、かなりテンポを重視しているように感じる。

本曲の詞は今井さんが書いていますが、ワード運びに若干の寂しさを感じた。
しかし、恋に焦がれる男子の気持ちをストレートに表現しているのは良かった。

 

3.HURRY UP MODE 詞・曲:今井寿

本アルバムの表題曲にして看板曲。

テンポはかなり速くて明るいが、BUCK-TICKが持つダークな世界観の片鱗を感じられる。
LIVEではとても盛り上がる曲調で、今でも人気のある曲です。

詞は華やかな不夜城を表現しているようで、少しファンタジーを想起させる。

 

4.TELEPHONE MURDER 詞・曲:今井寿

『HURRY UP MODE』よりもファンタジー感溢れる曲です。
今現在のBUCK-TICKが演奏したらかなり縦ノリできそうな曲だと思いますが、ライブで演奏しているのは聴いたことがありません。

当時は電話が珍しかったこともあるかもしれませんが、これに対する喜怒哀楽を歌っているような気がする。

 

5.FLY HIGH 詞・曲:今井寿

記憶に刻まれるメロディのテンポと、BUCK-TICKらしさを感じられる曲調。
目標へ向かって突き進む飽くなき姿勢を歌っているところに響き、ほぼ全ての人間の根底にあるものをストレートに表現しているのが素晴らしい。

デビュー30周年Liveで初めて本曲の生演奏聴いたときは感激し、これからもBUCK-TICKを追いかけていこうと決意を固めた。

 

6.ONE NIGHT BALLET 詞・曲:今井寿

本曲より前に収録された曲と比べると少しバラード的ニュアンスを感じる曲調で、歌詞もお互い不慣れな恋模様を表現しているように思う。

ドラムのテンポは好きだが、残念ながら記憶には残らなかった。

 

7.MOON LIGHT 詞:櫻井敦司/曲:今井寿

櫻井さんが初めて作詞した曲らしいが、初めてとは思えないくらい完成度が高い。
シンプルなワードを使ったスタンダードなラブソングで、言葉運びが心地よい。

アップテンポな曲調にとてもマッチングしており、記憶に残りやすい一曲。
今現在でも人気の高い1曲ですね。

 

8.FOR DANGEROUS KIDS 詞・曲:今井寿

リズミカルなテンポが特徴的な本曲は ” ハカ ” の曲調を利用しているようです。
一般的なロックソングには使用されないだろうなと思いますが、こういう固定概念を覆すのもBUCK-TICKの良さですね。

良い曲を作るために試行錯誤をする今井さんの姿勢を感じられる1曲だと思う。

 

9.ROMANESQUE 詞・曲:今井寿

この曲も『HURRY UP MODE』や『FLY HIGH』と共に、個人的にリピート回数が多い曲。
華やかに彩られた世界を虚像だと言い放っているのがカッコいい。

それも、少ないフレーズでシンプルに表現しているのが良い。
また、ビート音が心地よいのでこれに合わせてヘドバンしたくなる。

ノリノリになって身体を遊ばせたくなるような中毒性を感じる一曲。

 

10.SECRET REACTION 詞・曲:今井寿

このアルバムの中で最もレビューに苦戦したのが本曲。
謡曲の雰囲気とポップスの雰囲気を併せ持ちつつも、他の曲より落ち着いたテンポに感じる。

これが原因なのか非常に記憶に残らなかった。
静かではないのだが、綺麗にまとまりすぎているように思った。

詞は『PLASTIC SYNDROME TYPEⅡ』『TELEPHONE MURDER』と似た世界観に思えるが、10曲目にもなると既に満足してしまっており、インパクトに欠ける。

 

11.STAY GOLD 詞・曲:今井寿

ドラムとベースの重低音が響くヘビーな1曲。
本アルバム収録曲の中ではビートロック寄り。

アルバムの最後の曲にしては明るめの曲調ですが、全体を締めて収束している印象を感じた。



お勧め曲

『HURRY UP MODE』:覚えやすい歌詞とノリやすい曲調が良い。

『FLY HIGH』:サビの盛り上がりは本アルバム随一、今井曲にハマるきっかけとなる一曲。

『ROMANESQUE』:今井さんの歌詞センスの高さを感じる。



まとめ

私が持っているアルバムは『VACUUM DREAM』と『NO NO BOY』が未収録のため、全11曲の構成でした。

全体的にノリの良いアップテンポな曲が続いたアルバム、イマイチ物足りなさを感じる作りだったかなと。

他のアルバムを聴いてBUCK-TICKの世界観にハマってから聴くのが良い一枚です。