1988年に発売された2ndアルバム。
このアルバムで初めて星野英彦の制作曲が収録されました。
ロックとゴシックの融合とともに、BUCK-TICKの世界観が濃くなりつつあった移り変わりを感じられる1枚です。
収録曲視聴後の感想
1.FRAGILE ARTICLE 曲:今井寿
最初から最後まで一貫してハミングだけで奏でた1曲。
落ち着きのある曲なので、この曲以降の激しいビートソングの引き立て役になっていたと思います。
愛と死を綴った歌詞とドラムの音が特徴的なビート音が響く激しい曲調が、ピッタリと調和をとれた良曲です。
今現在でも定期的に演奏してくれる曲の1つですし、この曲のサビでの星野さんのコーラスが結構記憶に残るので、聴くと自然と身体が動くほどにテンション上がりますね。
3.CAPSULE TEARS -PLASTIC SYNDROME III- 詩・曲:今井寿
北欧民謡のようなキャッチーでポップな曲調ですが、愛しすぎた故に涙が止まらない失恋を表現している歌詞に不思議と合っていると思います。
コンサートでは聴いたことないですが、いつか生演奏で聴きたいの曲の1つです。
ダークファンタジーを表現した歌詞と、ゴシック性の曲調が重なったBUCK-TICK らしい1曲。
『CAPSULE TEARS -PLASTIC SYNDROME III-』同様コンサートでは聴いたことがないですが、表現力が高くなったBUCK-TICKでこの曲を演奏してほしい気持ちを抱くほどに良い曲です。
5.ORIENTAL LOVE STORY 詩:櫻井敦司/曲:今井寿
この曲は30周年を迎えたときのワンマンライブ『THE PARADE』と、ライブツアー『THE DAY IN QUESTION 2017』で演奏されているので、比較的最近でも馴染みのある曲だと思います。
ゆったりとしたバラードソングで、歌詞の内容を考える限りは3曲目の『CAPSULE TEARS -PLASTIC SYNDROME III-』と同様に、失恋を表現しているように感じました。
櫻井さんの場合は直接的ではなく間接的な表現で、詩人のようなフレーズを使っているのが特徴的な気がします。
6.PHYSICAL NEUROSE 詩・曲:今井寿
30周年を迎えたときのワンマンライブ『THE PARADE』でも演奏していますが、定期的に披露してくれることの多い縦ノリのロックビートが特徴的な曲調です。
歌詞の内容は結構過激で今井節が炸裂しており、ライブを盛り上げてくれる1曲です。
7.DESPERATE GIRL 詩:櫻井敦司/曲:星野英彦
本アルバム唯一の星野曲。
櫻井さんのエロティックな歌詞と星野さんの激しいロックビートの曲が、マッチングしていて聞き飽きない曲ですね。
8.VICTIMS OF LOVE 詩:櫻井敦司/曲:今井寿
7曲目の『DESPERATE GIRL』から続くアダルトチックな曲。
ダークな雰囲気にゴシック調のテンポが合っています。
" 黒色すみれ "とのコラボで起用されていたのが記憶に新しい。
原曲はゴシックへ振り切ってはおらず、ロック調もかすかに残っていました。
7曲目から続くエロティックな歌詞ですが、前の2曲よりはライトで受け入れやすかったです。
コンサートの最後に披露すると締まるような、ロックとポップが程よく融合された曲です。
今井さんの引き出しの多さに心底驚かされますね。
10.SEVENTH HEAVEN 詩・曲:今井寿
本アルバムの表題曲。
カーニバルのようなポップな曲調とは裏腹に、戦争や死を表現しているかのような歌詞が面白いです。
『CAPSULE TEARS -PLASTIC SYNDROME III-』にも似たアンバランスさがクセになる一曲です。
お勧め曲
『CAPSULE TEARS -PLASTIC SYNDROME III-』:テンポがよく明るい曲なのでテンションが上がる。
『CASTLE IN THE AIR』:ゴシック調の落ち着いた曲で、低音が響くビートソングが良い。
『PHYSICAL NEUROSE』:ビートロックとパンクが程よく融合した1曲で、テンションが上がる。
まとめ
ロック+ポップ+ダーク、この3拍子が揃ったアルバムです。
前の2枚と比べると聴きやすい曲が多いと思いました。
『…IN HEAVEN…』や『PHYSICAL NEUROSE』といったライブ定番ソングも収録されているので、BUCK-TICKを初めて聴く方にもオススメしやすい一枚です。